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アイテム
腹部大動脈瘤 : その成因について
https://kinran.repo.nii.ac.jp/records/2000012
https://kinran.repo.nii.ac.jp/records/200001238b350a9-3dd6-43af-961f-6f197454d235
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||
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公開日 | 2024-05-11 | |||||||
タイトル | ||||||||
タイトル | 腹部大動脈瘤 : その成因について | |||||||
言語 | ja | |||||||
タイトル | ||||||||
タイトル | Abdominal Aortic Aneurysm | |||||||
言語 | en | |||||||
言語 | ||||||||
言語 | jpn | |||||||
キーワード | ||||||||
言語 | ja | |||||||
主題 | 動脈瘤,炎症,男性,高齢,喫煙 | |||||||
キーワード | ||||||||
言語 | en | |||||||
主題 | Aneurysm,Inflammation,Male,Aged,Smoking | |||||||
資源タイプ | ||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||
著者 |
島﨑 靖久
× 島﨑 靖久
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抄録 | ||||||||
内容記述 | 腹部大動脈瘤は、腎動脈より下部の大動脈の全層が拡大し、小さくなることはなく、進行性に膨らみ、最終的には破裂に至る局所的病変である。破裂すると90%が死亡する。50歳以上の3-10%に見られ、圧倒的に男性に多く観られるが、高齢化に伴い女性も増加すると予測される。疫学的研究からは危険因子として、高齢、男性、家族歴、喫煙、アルコール摂取、下肢の低血流、薬物、動脈硬化性病変の合併が挙げられている。家族歴にこの疾患を持つ人が居る場合は、約2倍の頻度で多く観られる。相当大きくなるまで自覚症状に乏しく、破裂で発見される事が多い。早く発見されたとしても内科的に拡大を防ぐ方法は見つかっていないので、破裂する前に外科的治療が行われている。 組織学的には動脈壁における細胞外マトリックス蛋白(extracellular matrix protein)であるエラスチンとコラーゲンの崩壊、血管平滑筋のアポトーシスとマクロファージ、好中球、リンパ球とマスト細胞等の炎症性細胞の浸潤が見られている。種々の細胞外のmatrix metalloproteinase(MMP),特にMMP-2,MMP-9,システインプロテアーゼ、セリンプロテアーゼはマクロファージ、好中球、リンパ球、マスト細胞から分泌されるが、これらの酵素は細胞外マトリックスの崩壊に強く係り合っている。プロテアーゼと抗プロテアーゼのバランスが蛋白分解の方向へ進み、血管壁の崩壊に至り、破裂を招く。細胞外マトリックスの分解に加えて細胞外マトリックス蛋白合成が低下している状態である。この変化は動脈硬化性変化ではなく、炎症性変化と考えられる。詳細は不明だが、最初の出来事は白血球が何らかの原因で大動脈中膜内に現れる事に始まると考えられている。 治療は破裂を起こす前に、外科的治療を行うことである。動脈瘤を切除し、人工血管で置換する方法、或いは、ステントグラフトを動脈瘤内に内挿する方法が採られている。いずれも、成績は良好である。然し、薬剤による内科的治療法は、未だ、達成されておらず、今後の発展に期待が寄せられている。 |