@article{oai:kinran.repo.nii.ac.jp:00000379, author = {浅井, 千晶}, month = {2019-07-10}, note = {トニ・モリスンの第十作目の長編小説『ホーム』(2012)は、朝鮮戦争帰還兵の主人公フランク・マネーとその妹イシドラ(シー)の「ホーム」を探す旅を通じて、アフリカ系アメリカ人の視点でアメリカの過去の一時期を語り直す作品である。物語は第三人称の語り手による叙述とフランクによる一人称の語りが交錯して進んでいく。本論ではまず、物語に登場する亡霊的な「ズート・スーツの男」の存在について論じた。この亡霊的存在は過去の意味を問い直し、主人公兄妹の記憶をつなぐ上で有効である。次に、『ホーム』における植物、とくに故郷のジョージア州ロータスの川辺に生える月桂樹の役割に注目した。物語の終盤、フランクがシーを伴い人骨を再埋葬する場面における色鮮やかな月桂樹は、傷つきながらも未来を向いて生きようとする二人を象徴する存在である。この場面でシーの視界をよぎる「おかしなスーツ」の男は、『パラダイス』に登場する黒いスーツの小柄な男と同様、超自然的存在であり、別世界からの使者とみなすことができると推論した。, 4}, pages = {9--13}, volume = {15}, year = {}, yomi = {アサイ, チアキ} }