@article{oai:kinran.repo.nii.ac.jp:00000262, author = {佐藤, 努 and 渡辺, 達夫 and 加茂, 幸子 and 小橋, 昌裕 and 中山, 洋 and 鈴木, 敏博 and Satoh, Tsutomu and Watanabe, Tatsuo and Kamo, Sashiko and Kohashi, Masahiro and Nakayama, Masahiro and Suzuki, Toshihiro}, month = {2016-03-09}, note = {食肉の熟成に要する時間は、家畜の種類によって異なり、牛肉や豚肉には数日を要するが、鶏肉は死後変化が非常に速く数時間で熟成することから、いわゆる朝引きの肉が美味とされている。その速やかな死後変化の度合いをとらえるには、揮発性塩基態窒素量や生菌数の増大などで検知される初期腐敗、それよりも前の段階の変化を追う必要があり、これまで魚類の鮮度指標であるK値の鶏肉への応用が検討され、その有効性が示されてきた。鮮度判定恒数K値を非破壊的に迅速に測定できると、死後変化が速やかに起こる鶏肉の品質管理に、より役立つものと考えられる。 本研究では、朝引きの鶏胸肉を入手し、4℃貯蔵により、K値にして3–76%の肉片を合計133片作成して3つの試料群(No.1–3)とし、それらを光ファイバープローブ(測定範囲:680-1,235 nm)を搭載した近赤外分光計により測定するとともに、湿式分析によりATP関連物質の含有量とK値を求め、先に近赤外分光法によるK値測定の可能性を報告した豚肉のデータと比較して、鶏肉の変化の特徴を探った。鶏肉においては、きわめて速やかなK値の上昇が認められるとともに、K値50%以上の試料にはイノシン量とK値の間に相関が認められず、豚肉に確認されカツオにも報告されているK値とイノシン間の極めて高い相関は認められなかった。すなわちイノシンには、経時的な増加と、引き続いての減少の傾向が見られ、イノシンの分解産物であるヒポキサンチンには、イノシン減少時に、より増加する傾向が確認された。このことから、熟成に数日を要する豚肉と、数時間しか要さない鶏肉では、イノシンの安定性にも違いがあり、鶏肉においては、急激な死後変化の中で、イノシンのヒポキサンチンへの分解も速やかに進むこと、そしてこの特性が近赤外分光分析の精度にも影響する可能性が推察された。 次に、装置付属の解析ソフトを用いて二次微分スペクトルとK値データを重回帰分析することにより、鶏肉の鮮度推定式の作成を試みた。上述の3つの試料群(No.1–3)のすべての肉片を用いての解析では、全試料のK値が50%以下の試料群No.3において、二次微分スペクトルの波長820, 959および720 nm選択時に、較正方程式の重相関係数は最高値の0.74であった。選択される波長がイノシンの影響を受けているのであれば、先に述べたように、K値50%以上の試料では、K値とイノシン量間に相関がないために、誤差は大きくなると考えられる。そのため、試料群No.1とNo.2からK値50%以下のデータを抽出し、再度、重回帰分析を試みた。結果として、双方ともに重相関係数は上昇し、試料群No.1(重相関係数0.67)からの抽出群において、二次微分スペクトルの波長1156, 835および1097 nmの選択時に、較正方程式の重相関係数は0.83という高い値が得られた。 以上のことから、鶏肉鮮度の近赤外分析は、イノシンとヒポキサンチンのバラツキの影響を受けにくいK値50%以下の肉において、実用の可能性が高いと考えられた。 一方、既に報告されているように、鶏肉のK値の上昇を止めるには-30℃以下での保蔵が必要となるため、それ以上の温度での保蔵では、様々な劣化度の鶏肉が生じることになる。すなわち細菌による腐敗は受けていないものの、K値が非常に高い鶏肉も生じることになり、市販鶏肉や輸入冷凍鶏肉には、K値50%以上のものがあることも報告されている。鶏肉において、上昇速度もバラツキも大きいK値であるが、鶏肉に求められる品質との関係について、多角的な知見が併せて求められる。, 16, KJ00010109099}, pages = {117--122}, volume = {12}, year = {}, yomi = {サトウ, ツトム and ワタナベ, タツオ and カモ, サチコ and コハシ, マサヒロ and ナカヤマ, ヒロシ and スズキ, トシヒロ} }